バーダープラネタリウム社製UHC-S Nebulaフィルタは、天体のそのままを見るのに適したフィルタです。フィルタ効果を一口で言うと、「減光し過ぎず、その背景の星空を消さずにガス星雲を高いコントラストで本来の姿が見ることができる」フィルタです。このフィルタは、光害のある空でガス星雲を観察する場合や、暗い空で星雲のコントラストを高めたい場合に最適です。
高度な技術を駆使したコーティング材によって、フィルタは通過帯域全体にわたって97%を超える可視光線透過率を達成し、明らかな光害線を完全にブロックします。これは同時に像の輝度とコントラストが最高になることを意味します。おおよそ20cmぐらいまでの口径の望遠鏡を使用している方は、特にこのフィルタの高い効果に驚き、高い評価をいただいております。大口径の望遠鏡のユーザの方は、星の豊富な光波長領域に気付き、星雲のかすかな陰影の細部まで見えることに嬉しくなることでしょう。
よくある質問→UHCーSフィルターとO-III フィルターのどちらがいいのでしょうか?
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表題のとおり星雲を見るためのフィルターを初めてお選びになる場合、どちらのフィルターが自分にとってメリットのある物なのか?という事でお迷いになられる方がいらっしゃいますが、ここでそれぞれのフィルターの特性と「実際にはこんな感じ」という視点から説明させていただきます、ただしここでは理論的な事ではなく使用する人の感覚としての説明とさせていただきます。
どちらのフィルターも星雲からの輝線とその類似の輝線のみを通し、その他の輝線を通さないようにして星雲自体をアイピースの視野の中で、まるで星雲を浮き上がらせるような感覚で星雲を視認しやすくすることが目的のフィルターです。O-III フィルターとUHCーSフィルターの大きな違いは、それぞれのフィルターを通過させる輝線の幅(種類)です。
O-III フィルターは文字どおり、O-III 線という星雲より発する輝線のみを透過させます。それに比べてUHCーSフィルターはO-III 線も含めてその他の輝線も透過させます。このようにそれぞれの特性があるため、同じ望遠鏡で同じアイピースを使用した場合には、その見え方に違いがあることに気づかされます。また、その他の人間の生活が発する地上からの光もカットしますから、結果的に星雲を見るためのフィルターとして双方ともに非常に効果的なフィルターです。
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<O-III フィルターについて>
O-III フィルターで星雲を見た場合、覗いているアイピースの視野内は、見えている星雲以外は物凄く暗く、星雲と一緒に見えている恒星もかなり暗く感じます。そのかわり星雲自体はその暗い視野内に浮かび上がるような感じで非常に視認しやすい状態で見え、特に比較的明るいとされる星雲などはその周辺部や先端細部などのディティールが、フィルターを使わない状態に比べて格段に見えやすくなります。ですから現在販売されてる惑星状星雲や散光星雲を物理的に眼視で見るためのフィルターとしては最良のフィルターと言えるでしょう。
ただし星雲以外の視野内はかなり暗くなりますから、どちらかと言えば口径の大きな望遠鏡向きと言えるでしょう。
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<UHCーSフィルターについて>
UHCーSフィルターはO-III 線も含めてその他の輝線もある一定の範囲で通過させるため、O-III フィルターに比べると、星雲のみを浮き上がらせるという効果のみにおいては見た目的にはO-III フィルターに一歩譲りますが、他の輝線も一緒に見ている事になるためアイピースの視野内はO-III フィルターに比べると明るく感じ、見えている星雲以外のバックグラウンドや恒星の色再現や明るさなどもO-III フィルターほど暗くならず、フィルターを使わない場合との違和感が少なく、実際に見えている星雲、バックグラウンド、恒星の明るさや色再現がO-III フィルターに比べより自然な感覚で見え、目的である星雲をフィルターを使用しない自然な状態に近い視野内の情景を確保しつつ星雲を見えやすくしてくれるフィルターです。
したがって惑星状星雲や散光星雲を見やすくしたいけれども、O-III フィルターほど視野内を暗くしたくないという場合や、星雲やバックに見えているものもバランスの良い状態で見たいという場合に最適なフィルターです。
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<あなたがお選びになるフィルターは>
このような双方のフィルターの特性から、我々のご提案としては『他の事はいいからとにかく星雲のみを最良のコントラストで見ていたい』という方にはO-III フィルターを!そうではなくてあくまで『星空の中に浮かんで見えるような星雲を見てみたい』という方にはUHCーSフィルターをお薦めいたします。
望遠鏡にフィルターを装着して星雲を見るという行為は、見方を変えれば、せっかく望遠鏡が集めた光(光量)に対してその光を絞ってしまうような行為ともとれますから、このようなフィルターの使用は望遠鏡側の対物光学系の集光力と密接な関係にあると言えます。なので「どちらか1枚のフィルターを選びたい」という場合には、それぞれのフィルターの特性から、私達としては望遠鏡の対物光学系が口径が20cmぐらいまでの場合はUHCーSフィルターを、20cm以上の場合はO-III フィルターをお薦めしています。
もちろんこれは定義や理論のようなものではなく、あくまで視野内に見えている星雲を含めた対象の明るさを基に、我々が実際に眼視にる経験からの導き出されたお薦めの一例です。なぜならフィルターを通して星雲を見るのは感情のある「人」だからです、それを見る人によってはまったく違う感想を持たれる場合や、当然ながら好みの問題もあり、これらフィルターをご使用される方によっては「6cm口径の望遠鏡でもO-III フィルターは面白い!」という方や、口径50cmオーバーの望遠鏡での使用でも「私はUHCーSフィルターが一番心地よいですね」という方もいらっしゃいます。なかなかこのようなフィルターの使用感を文字でお伝えするのは難しい事ですが、今後お客様が眼視用フィルターをお選びになる際の参考にしていただければと思います。その他わからない事やお聞きになりたいことがあればご遠慮なくお問い合せ下さい。
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バーダーUHC-Sは「ディープスカイ」の別名の通り、空の背景の暗さを高め、ガス星雲のコントラストもはっきりわかるほど向上させます。一般の「ディープスカイやナローバンド」フィルタは、空と星領域を暗くしすぎる傾向があり、星雲をあたかも何も存在しない背景に置かれた人工的で平面的な像にしてしまいます。
UHS-Sフィルタは、高い透過率、鋭いカット、より緩やかな60nm通過域のため、より自然な像を保持しながら、全体のコントラストを大幅にアップします。撮影者の方は、通過域が広いことをはじめ、H-Alpha通過域(>99% @656nm)を非常に能率的に含めること、そして光学品質の高さであることを高く評価されることでしょう。その効果は絶大で、デジタル系の写真撮像に使用した場合、光害の多い街中でも星雲星団のディテールを映し出すことができます。
バーダーUHC-Sフィルタの特徴は、基板の特殊な超高精度研磨工程と高度な積層コーティング設計により、像質を劣化させないことです。他の一部のフィルタは、洗浄や湿度により劣化するのを防ぐため、デリケートなコーティング材を2層のフィルタガラス間に挟む方法を採用していますが、これでは像がぼやけたり二重になったりする可能性があります。
バーダーUHC-Sでは、硬化コーティング材とファインオプティカル研磨基板を組み合わせることによって、このような劣化を防いでいます。よく勘違いされているのは、ディープスカイの観察には低倍率のみを使用すべきで、イメージ解像度も惑星の観察ほど重要にならないということです。しかし実際はそうではなく、細部を調べる際に、特に明るい散光星雲と惑星星雲を調べる際には、高倍率が一般的であり役に立ちます。
バーダーUHC-Sフィルタは面精度が高度に保たれているため、高倍率の使用が可能で、鏡筒のかなり前方で使用しても(すなわち、イメージ撮像用途に、またはスターダイアゴナルや双眼装置の前方で)星の正確なシャープさを保持できます。バーダー社のフィルタは、像にあらわれる悪影響を気にせずに、高能率的にフィルタ処理を行うことができる、理想のフィルタです。
品番
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品名
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BUH3
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UHC-Sネビュラーフィルター31.7mmサイズ / 2458275/厚み2mm |
BUH4
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UHC-Sネビュラーフィルター48mm(2インチ)サイズ / 2458276/厚み2mm |
2458278
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UHC-Sネビュラーフィルター φ50.8mm /セルなし/厚み3mm |
2458279
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UHC-Sネビュラーフィルター50mm x 50mm四角サイズ/厚み3mm |
バーダープラネタリウム全商品価格表
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